先日、豊受大神宮(外宮)を訪れた際に、少し足をのばして月夜見宮(つきよみのみや)へ行ってきました。
月夜見宮は、外宮に属する「別宮(べつぐう)」の一つでありながら、外宮の敷地内にはなく、独立して鎮座する特別な存在です。内宮には10の別宮、外宮には4つの別宮がありますが、その中でも月夜見宮は豊受大神宮(外宮)の正宮に次ぐ格式を持っています。地元では親しみを込めて「げつや」と呼ばれ、親しまれています。
外宮から静かな「神路通り」へ
月夜見宮は、外宮の北御門(きたみかどぐち)から北へ伸びる「神路(かみじ)通り」の先に鎮座しています。外宮の入り口から歩いておよそ15分、北御門からなら10分ほどの距離です。通りの入口からは、月夜見宮の鳥居を遠くに望むことができます。


神路通りを歩く際には、道の「中央」を歩かないという古い習わしがあります。これは、古くから道の真ん中は神様が通る「神様の通り道」とされ、人々が避けて歩いたことに由来します。この習わしが今も大切に受け継がれています。

月の神様を祀るお宮
月夜見宮の御祭神は、月夜見尊(つくよみのみこと)とその荒御魂(あらみたま)です。御祭神は内宮の御祭神・天照大御神(あまてらすおおみかみ)の弟神にあたり、同じく「月の神」として知られ、夜を支配する神様です。

この月夜見尊が鎮座する月夜見宮には、こんな伝承も残っています。月夜見宮の入り口にある石垣の一つが、夜になると白馬に化けるというもの。月夜見尊がその白馬に乗り、日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)が行われる外宮へ通われるのだそうです。そのため、昔の人々は夜に神路通りを歩くのを避け、どうしても通るときは道の端を静かに歩いたと伝えられています。
周辺のお社
宮域の右手奥には、高河原神社(たかがわらじんじゃ)が鎮まっています。こちらは月夜見尊の御魂(みたま)を祀り、地域の土地開拓や発展を見守る神様です。

また、左奥には稲荷の小社が祀られています。立て札などはなく、伊勢神宮との直接の関わりははっきりとしていません。


御朱印とお守り
境内の入り口近くにある宿衛屋(しゅくえいや)では、御朱印をいただいたり、お守りを授与することができます。
私が訪れたときには、御朱印の初穂料が「お気持ち(任意)」に変更されていました。これは伊勢神宮のすべての神社で同様の対応になったとのことです。多くの参拝者は、目安として300~500円ほどを納めているそうです。(※最新の情報は現地にてご確認ください)
月の静けさに包まれて
月夜見宮は、まさに「隠れた聖域」という言葉がぴったりの場所です。風にそよぐ木々の音、土の香り、遠くから聞こえる足音——。そのすべてが、時間の流れをゆるやかにしてくれます。


外宮が「日々の恵みへの感謝」を表す場所だとすれば、月夜見宮は「静かな内省」や「心の調和」を感じさせてくれるお宮です。夜を照らす月の光のように、やさしく穏やかに、心を静めてくれるでしょう。外宮参拝後、時間があればぜひ足を運んでいただきたい場所です。
豊受大神宮(外宮)別宮 月夜見宮
御祭神:月夜見尊、月夜見尊荒御魂
住所:516-0072 三重県伊勢市宮後(みやじり)1−3−19
参拝時間:5:00~18:00(1~4月、9月)、5:00~19:00(5~8月)、5:00~17:00(10~12月)
定休日:なし
駐車場:あり
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